自社農園で丁寧に育てたカカオを収穫し、豆を取り出して発酵・乾燥させました。
チョコレートの味わいや香りを決める最も重要な工程とされる「発酵」。BINONおよびBINONの提携農園では、この工程をすべて手作業で丁寧に行っています。

カカオ豆は収穫後、バナナの葉に包まれ、自然の微生物の働きによってゆっくりと発酵が進みます。
バナナの葉が保つあたたかな湿度と通気性が、豆にやわらかな熱を伝えながら香りを深め、発酵を助ける役割を果たします。
おおよそ５日日かけてじっくりと発酵させたBINONのカカオ豆は、ベトナム産ならではの豊かなコクと奥行き、そして南国フルーツを思わせる爽やかな酸味をお楽しみいただけます。

（1）南東部　Ba Ria Vung Tau（バリアブンタウ）

ホーチミン市から東へ車で2時間弱のリゾートとして有名なブンタウ。
その内陸の山側にいくつもの小規模カカオ農園があります。

ここの土地はカシューナッツ、黒胡椒、アボカドの産地でもあり、多くの農家はこれらの農産物もカカオの農園に一緒に植えています。
カンさんは集約してポストハーベスト（発酵・乾燥）を行っており、長年の経験とこだわりで、とても良い豆を作ります。
カシューナッツのような滑らかなとろみと、アプリコットのような優しい酸味、後味に黒胡椒のようなスパイシーさを感じます。

（2）高原地方　Dak Lak（ダクラク）

ホーチミン市から中部山岳地帯に向かい約380km。
ここはコーヒー栽培が盛んな高度約500mの涼しく澄んだ土地です。

コーヒーにとっては最適な寒暖差でも、カカオの生育や発酵条件にはあまり良いとは言えません。
しかし2006年頃から政府とカカオ協同組合の取り組み、国際機関の援助により、カカオの栽培面積は年々増え、品質も向上しています。塩害の被害がないため、農園に水路がなくカカオの木が整列して植えられているのが印象的です。甘みにオレンジのような柑橘系の風味を感じ、後にスパイシーさが加わる複雑な味が特徴です。

（3）メコンデルタ地方　Ben Tre（ベンチェ）

メコン川支流のデルタ地方に位置するベンチェ省。
ここは豊富な水と肥沃な土壌が特徴で、カカオだけでなく米や果物を育てるのにも最適な土地です。

国際機関やベトナム農業省がベトナムにカカオ農業を広め始めたのは1999年頃で、この土地ベンチェからでした。
ココナッツや果物の畑の中で育てられた木からとれるカカオは、爽やかなフルーツのような香りと濃厚な風味のバランスが特徴です。ラズベリーのようなフルーティーさと、その奥に蜂蜜のようなまったりとした甘みを感じます。

直射日光を避け、湿度が低い涼しい場所で保存して下さい。